カフェレーサーにカウル装着するなら「アレ」を買え!!

空冷四気筒カフェレーサー・ロケットカウル

カフェレーサーに似合うカウルを装着したいけど、何を買ったらいいんだろう?

カフェレーサーにカウルは必要?

カフェレーサーと言えばセパハンバックステップシングルシート。ここまで進めばだいぶ雰囲気が出てきます。
私の愛車のCB1100も以前はこのスタイルでした。

結構この形もカッコいいよね

ただ実際にこのスタイルで走ってみると
意外と風の抵抗が強い
高速道路の巡行って結構つらいことに気づきました。
※ヘルメットの種類による。カフェレーサースタイルでよく使われるレトロデザインのヘルメットは要注意かも

カウル装着したいなあ・・・

カフェレーサー用のカウルってどうやって入手するの?

でもカフェレーサーのカウルって入手して装着するのってすごく大変なんですよ
まず販売されているカフェレーサータイプのカウルのほとんどは汎用品で、車種別専用品はほぼ存在しないと考えたほうがよいです。
その点、SR400に限っては専用品も販売されているので楽です。ステーもセットだったりします。


一方で、私が乗るCB1100やヤマハのXJR、カワサキのゼファーやスズキのGSなど、大型多気筒バイク、ネイキッドバイクにカウルを装着する場合は汎用品を買わざるを得ないはずです
つまり各車体に合わせた加工が必須です。

買ってきたらすぐ付けれるってわけじゃないのね。

またカウルを車体に固定するステーについても別に購入する必要があり、こちらも販売はされているものの、装着に当たっての加工、溶接での補強が必須です。


こういう商品はそのまま使うと振動がひどくてまともに走れないはずです(実体験)。商品が悪いというよりも、作りこみすぎると汎用性を失うので、あえてシンプルにしてあるもの、あくまで加工ベースとして販売されていると捉えるべきなのでしょう。

カウル装着って難易度高すぎない?

また、そもそもSR400やGB400/250のような単気筒エンジンのバイクではなく、大型多気筒バイクやネイキッドバイクに適合するカフェレーサーチックなカウルはそんなに多くは販売されていません
SR用のハーフカウルを用いることも可能ではありますが、バイクに対してやや小さめであることは否めません。

じゃあカフェレーサー用のカウルって何を買えばいいの?


そうなると旧車用のカウルが現実的な選択肢となります。

カフェレーサーに装着する旧車用のカウルって?

旧車用のカウルって何?

旧車用のカウル、これは端的に言えば暴走族が付けているアレです。


暴走族が装着しているカウルは元々、古い時代のレーサー(競技用車両)が装着していたものです。
レーサーのカウル = 速そうでカッコいい という価値観からこれを日本の暴走族が装着しようとした際、本来の装着するべき低い位置につけることができずに高い位置に取り付けてしまったことが現在の暴走族スタイルの原型です(ハンドルが当たったりするのでカウルを低くつけるのって想像以上に難しい)
一度この形が定番化すると、派手で見栄えがよいとの理由からあえてこの形が好まれるようになっていきました。

でもこの暴走族のカウルって古い時代のレーサーのカウルの形なんだよね

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カフェレーサースタイルのバイクは大体70年代までのレーサーを原型とするので、この旧車用のカウルを本来の低い位置に装着すれば立派なカフェレーサー仕様になります

間違っても暴走族の形を目指すわけじゃないからね!

旧車用カウルの種類って?

旧車用カウルの世界はマニアックなので、様々な種類がありますが、カスタムショップ(暴走族の匂いがするところが多い)やヤフーオークションなどで販売されているものは以下の3種類が多いようです。

イノウエカウル
イノウエカウル
コミネカウル
イノウエブルドッグカウル

上の図のイノウエカウル、コミネカウルはエンジン付近まで覆うフルカウルの形状として販売されていることが多いようです。この2つの違いは横に入る斜めのラインの有無で、コミネカウルの場合、ペイントする際にこれに合わせてラインを入れることが(族車では)多いようです。

下のイノウエブルドッグはハーフカウルとして販売されていることが多く、正面から見た際に頬の垂れたブルドッグに似た形状からその名がついているようです。本来はヘッドライト前面を覆うクリアのシールドをカウル前面に着けて使うもののようですが、あまりその使用方法は目にしません。シールド自体があんまり売ってませんもんね。

カウルタイプの「イノウエ」とか「コミネ」って何だろう?

「イノウエ」、「コミネ」は日本のバイクパーツメーカーの名前です。
海外のレーサーが装着していたカウルをもとに日本のメーカーが製作、販売していたために、暴走族の間ではカウルを呼称する際、その日本メーカー名を冠した名称が用いられました。


「この英国エイボン風のカウルはイノウエがかつて販売していた”ブルドッグ”のリプロであった。そして正確に言えばイノウエが参考したものエイボンではなく、同じ英国の老舗、リードタイタンなのである。(中略)イノウエのブルドッグに比べて、本家リードタイタンは顔つきにより迫力がある。おそらくブルドッグは日本車用に各部を縮小してバランスを取ったのではないだろうか。」

 『THE JAPANESE CAFERACERS〜ジャパニーズカフェレーサーズ〜 』 八重洲出版2017) pp.22-23


現在は「イノウエ」「コミネ」などが販売していたカウルを参考(原型)として様々なショップ、メーカーが独自の商品を開発、販売しています。
そのため正確にはこれらの各カウルは”○○社製の「イノウエタイプ/コミネタイプ」のカウル”などと呼ぶべきものです。

族車のカウルも色々あったんだね。そんでこのへんのカウルっていくらくらいで買えるの?

これらのカウルの価格帯は40,000円(たっか!!)というところですが、極端に安いのは品質も低いので避けたほうが無難です。

実際にカウル買って、サイズが合わないとかないよね(不安)

カウルについてはサイズ感がやはり気になるところです。
SR400用ほど小ぶりではないとはいえ、これらの旧車用のカウルは元々中排気量のバイクを対象として製作されているので(全盛期の暴走族が乗っていたバイクって中排気量がほとんどだから)フルカウルタイプのカウルを大排気量車に装着する場合、エンジン付近は一部カットする必要が出てくる可能性があります。エンジン部分がカウルに接触します。

乗車時、ニーグリップをするという必然性から排気量に関わらずタンクの幅が極端に大きくなることはありませんが、排気量が大きいバイクの場合、エンジンはタンクの幅より広いということが多々あります(CBX1000が良い例です)

(押江義男 1996 『ワールドMCガイド3 ホンダ-Ⅰ』 株式会社ネコ・パブリッシング p.133)


一部アメリカンバイクを除き、タンク付近の車幅が極端に大きくなることは無いので、ハーフカウルとして使用するのであれば中型用に開発されている旧車用のカウルを購入しても差し支えないのではないでしょうか。

旧車用カウルは結局どこで買うのが正解?

旧車用カウルの購入については、要は族車を扱うカスタムショップのホームページからネット通販で購入すればよいということになります。Googleで検索すればかなりの数が上がってくるでしょう。
ただ私の経験上、やはりいい加減な対応を取るショップも多く、厚みの無い低品質のカウルを取り扱っていたり、かなり歪みのあるカウルを平気で販売するところもあるようです。

だって元暴走族がやってるお店だよ

そのようななかでもFRPシートの厚みをホームページ上で説明していたり、歪みが無いことをアピールしているショップは仕事へのこだわりを感じていて信頼感があります。
私のCB1100には福岡県のF-AUTOというショップのカウルを装着しています。
ホームページ上でも謳っているとおりの、歪みの無い良い商品でした。


ちなみに私はエンジン付近をカットして装着しました。

ちゃんと対応してくれるショップってどう見分けんのさ?

仮に旧車用のカウルをネット上で探して購入する場合、ショップに電話をかけて態度を見るのが一番です
電話に出て最初に「はいカスタムショップ○○です!」と言わないところはアウトです。速攻で電話を切りましょう。冗談のようですがこれが言えないショップはマジで多いです。
あ”?もしもし」って電話に出るとこ多すぎですよ!
他、メールで問い合わせて返答が無い、極端に遅いところもアウト。オークションサイトからの購入なら取引評価が悪いところはやめましょう。雑誌によく出てくる有名ショップの評価もボロクソだったりします。

カウルの装着はお金がかかるので失敗無く、また気持ちよく、楽しく実現したいものですね。

次回はカウル装着の具体的な手順について紹介したいなと思っています

日本の旧車や多気筒バイクを使ったカフェレーサースタイルのバイクを製作するなら⇓の本のシリーズがおススメ。写真集として見ても面白いよ!



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